アニメ調 CG の作り方 第 1 回「PSOFT Pencil+とは?」(Maya 編)

1 はじめに

PSOFT Pencil+ 4 (以降は Pencil+ と表記) を知らなかった方や、Pencil+ を使いたいという方からの問い合わせをいただく機会が増えたことを嬉しく思います。3dsMaxMayaUnityAfter EffectsBlender 向けに Pencil+ をリリースしたことや、教育機関での導入が増えたことで Pencil+ への興味が増しているのを感じます。

アニメ作品の CG に興味がある方は、Pencil+ の使用事例を目にした機会があるかも知れません。しかし、Pencil+ はアニメーションスタジオで使用されるプロ向けの製品という事もあり、制作の現場で Pencil+ をどのように使用しているのか、製品のマニュアルを見ただけではイメージするのが難しいかもしれません。

そこで本チュートリアルでは、オリジナルキャラクターを簡単に作れる 3D キャラメイカー「VRoid Studio」のサンプルモデルを使用して、はじめて Pencil+ を使用する方に向けて機能の紹介や、マテリアルやラインを設定してセル画調のモデルが完成するまでの一連の工程を解説します。画像や動画を多く使用し、できるだけ操作方法や手順をイメージしやすいチュートリアルを目指しました。
また、チュートリアル内には「ヒント」や「コラム」として機能の補足説明や、動作に関する情報を記載しています。現在 Pencil+ をご使用いただいてる方でも、新しい発見があるかも知れません。

これからPencil+ を使ってみたい。どんなことができるのか知りたい。アニメーションスタジオでなぜ使用されているのか知りたい方は、ぜひ本チュートリアルを御一読ください。

標準的なシェーディング(画像左、中央)と、Pencil+を使用したレンダリング(画像右)の比較

2 チュートリアルについて

本チュートリアルでは、アニメーションスタジオで使用頻度の高い機能の基本的な使用方法を学ぶことができます。解説する順番は以下の通りです。

  1. 「PSOFT Pencil+とは?」
  2. 「Pencil+ マテリアルの使い方」
  3. 「Pencil+ マテリアルの質感設定」
  4. 「ハイライトと透明度の設定」
  5. 「Pencil+ マテリアルに関するよくある質問」
  6. 「Pencil+ ラインの使い方」
  7. 「ラインセットの分け方」
  8. 「ラインの検出設定」
  9. 「漫画やイラストのようなライン表現」
  10. 「Pencil+ ラインに関するよくある質問」

はじめに「Pencil+ マテリアル」の使用方法の解説と、使用頻度の高い機能を紹介します。次にPencil+ マテリアルを設定したモデルに「Pencil+ ライン」を設定し、最終的にアニメ調の CG を作成するまでの工程を解説します。

具体的な 3D モデルを使用した方が機能の使用方法をより具体的にイメージできると考え、本チュートリアルでは「VRoid Studio」から出力したモデルを使用して解説しています。ですが自作のモデルを使用しながら機能を試していただくことで、より実践的に工程を学習できると思います。

Pencil+ マテリアルと Pencil+ ラインの解説の最後には、「よくある質問」のページを用意しています。機能の使い方を理解し、実際に Pencil+ を使用する段階で疑問に感じることや、つまずきやすい問題の解決方法が含まれていると思います。

チュートリアルは Pencil+ マテリアルから説明を開始していますが、Pencil+ ラインを先に知りたい方は「Pencil+ ラインの使い方」から読み進めても構いません。それでは、Pencil+ 4 の解説をはじめます。

2 PSOFT Pencil+ とは

Pencil+ は映像制作向けのノンフォトリアリスティック レンダリング プラグインです。

3DCG と言えば写真と見分けが付かないフォトリアルな表現が主流ですが、日本国内ではセル画や水彩画のような手書きのイラストのように見えるノンフォトリアリスティック(非写実的)な表現も人気です。ゲーム、アニメ、CM、映画などノンフォトリアリスティック レンダリングを使用したコンテンツを見かける機会は多いのではないでしょうか。

PPencil+ を使用すると、セル画やイラストのような雰囲気の 3DCG を作成できます。

フォトリアリスティックなレンダリング画像

Pencil+を使用したノンフォトリアリスティックレンダリング画像

CelFXCelMX を使用してアニメの撮影処理を加えた画像

Pencil+ は特にセル画のような表現を評価されており、多くのアニメーションスタジオで利用されています。Pencil+ がどのような作品で使用されているのかは、導入事例に掲載していますのでぜひご覧ください。

3 Pencil+ の代表的な機能

Pencil+ には様々な表現を実現できる機能を搭載していますが、主に「マテリアル」と「ライン」の 2 つの機能に分類できます。

マテリアルはセル画のような「塗り」を設定する機能です。ラインはオブジェクトの「輪郭線」を描く機能です。Pencil+ ではマテリアルとラインの 2 つの機能を使用してセル画調の CG を作成します。

  • Pencil+ マテリアル
  • Pencil+ ライン

Pencil+ マテリアルのレンダリング画像

Pencil+ ラインのレンダリング画像

Pencil+ マテリアルと Pencil+ ライン、両方の機能を使用したレンダリング画像

4 サンプルファイルのダウンロード

Pencil+4 の設定が完了したキャラクターモデルです。チュートリアルを読み進めながら、機能の理解を深めるためにご使用ください。

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次の記事

次の記事では実際にキャラクターモデルを使用して、Pencil+ マテリアルと Pencil+ ラインの使用方法を 解説します。

アニメ調 CG の作り方
第 2 回「 Pencil+ マテリアルの使い方」

Pencil+ for Maya チュートリアル